はじめに


PARTHENON*の研究を始めてから,早いもので足掛け16年になります(1996年3月現在). DIPS論理装置(CPU)の研究実用化経験から,製造部門を持たないNTTにとって,アーキテクチャ・レベルの設計に最適で,かつ,メーカ各社での製造をきちんと管理できる高位CADが必須であり,ぜひ研究・開発すべきであると提案して研究を開始したものです.

本内容を監修するにあたり,PARTHENONの生い立ち,開発思想について述べさせて頂き,ユーザ各位にこの純国産技術の魂をご理解頂くことにより,一層有効にご活用頂く一助になればと願うものです.

*Parallel Architecture Refiner Theorized by NTT Original Concept

開発の背景

本内容は書籍[PARTHENON/CQ版]に含まれていた解説書[はじめてのPARTHENON]に,概要紹介スライド・ショー,ASICデザイン・コンテスト規定課題 (KUE-CHIP2,PCIバス・インタフェース),PARTHENONによる設計演習,FAQ (Frequently Asked Questions with Answers),FPGA (ALTERA,XILINX)化のためのライブラリと変換ツール,その他の関連情報などを加え,全体をハイパーテキスト化したものです.

PARTHENONを使っていただくための最新の情報をできるだけ完全な形でまとめました.PARTHENONは,表現力の向上と設計自動化範囲の拡大を両立させるべく研究・開発されてきたものです.本内容によってPARTHENONによる新しい設計文化が理解され,日本から多くの有用なアーキテクチャが生み出されることを願ってやみません.

なお,本内容は,中村が監修し,小栗が 3章,4章と6章の一部分を,名古屋が 1章,2章の3,4節,7章,8章,9章,10章とスライド・ショーを,野村が 2章の 1,2節と5章を,雪下が6章の残り部分を,塩澤が ASICデザイン・コンテスト規定課題「KUE-CHP2」を,須山がFAQとftpサイトを,澤田がKUE-CHIP2による設計演習を,伊藤がSFLの記述例を,松浦が雑誌情報リストを,永見が規定課題「PCIバスインタフェース」を,山下が文献リストをそれぞれ執筆し,名古屋が全体をまとめ伊藤と共にHTML化しました.

最後に,本内容ができ上がるまでにご尽力をいただいたCQ出版社の山本 潔,増田 久喜の両氏,ユーザの皆様による設計事例を収集していただいた慶応義塾大学 天野 英晴先生,そして,内容の整理に協力していただいた沖 千文さんに,それぞれ感謝の意を表します.

平成 8年 3月
NTT情報通信研究所
高速通信処理研究部長
中村 行宏


補足

本内容のアップデートに関しましては,上記の各担当者に加え,FAQに関して小西が,FPGA化の変換ツールに関して永野が,英語によるSFL Tutorial 等でImligがそれぞれ担当しました.

さらに,PARTHENONのFreeBSD,Linuxへの移植に関しては伊藤永見が,Windowsへの移植に関しては塩澤が担当しました.

また,活動内容の掲載を快諾していただいているパルテノン研究会の関係者の皆様,そして,英語化,スペイン語化などに関してご協力いただいているアシードシステムズ株式会社様,NTTアドバンステクノロジ株式会社様,Mario CARDONA氏,長谷川 綾子さん,中小路 由紀子さんに,それぞれ感謝の意を表します.

平成 11年 9月
NTT未来ねっと研究所
小栗 清
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
名古屋 彰


FPGA化のためのツール類には,ユーザの皆様の利便のため他から引用したものを含みます.これらの取り扱いに関しましては,それぞれに含まれるREADMEファイルなどの記述に従ってください.

ユーザの皆様による設計事例の内容に関しましては,それぞれの作者の著作物です.


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